レース分析@2017SUMMEROFATHS GRAND PRIX

陸上100mの山縣亮太選手(セイコー)と桐生祥秀選手(東洋大)が11日,オーストラリア・キャンベラのAIS Track and Field Centreで行われた2017SUMMEROFATHS GRAND PRIXのレースに出場した.山縣選手は第1レースで10秒06(+1.3),第2レースで10秒08(-0.1)をマークし,一方の桐生選手は,第1レースで10秒04(+1.4),第2レースで10秒19(-0.1)をマークした.

インターネットに公開された映像(Athletics Australia,2017)(注1)と日本国内で放送されたテレビ映像(いずれも毎秒30コマ/60フィールド)を用いてレース分析(注2)を試みたところ,表1.1のような結果となった.

この分析結果から,様々なことが考えられるが,考察については読者にお任せしたいと思う.なお,今回のレースにおける分析結果は,毎秒30コマ(60フィールド)の映像を用いて出されたものであるので,誤差が小さいとはいえない.60m地点通過の判定が斜め前方からの映像によることも,誤差を増す要因となるだろう.

このサイトでは,今後もこのような客観的データ(資料)含む報道を展開していく予定である.読者の知的好奇心を刺激し,少しでも何かを考えるキッカケとなるサイトにしていきたい.

(注1)山縣選手の第1レース→23:30~,桐生選手の第1レース→35:40~,両者の第2レース→2:58:20~

(注2)100mの記録が9~10秒台の場合には,最高速度が60m地点前後で到達する(Gajer et al., 1999;松尾ほか,2014)ので,選手は60mによるスタートダッシュといったトレーニング種目を実施することで,加速能力向上を図ることがある(伊東,2003;豊田,2014).故に,所要タイムを加速能力評価指標として計測すること(土江,2011)は珍しくないと推測される.また,分析に用いた映像では,山縣選手と桐生選手が60m地点(400mHの第10ハードル設置マーク)を通過するのが確認できた.以上から,60m地点の通過タイム等を測定項目とし,パソコン等を用いた映像分析により算出した.算出手順は,先行研究(宮代ほか,2013)に準拠している.

文献
①Athletics Australia (2017) 2017 SUMMERofATHS Grand Prix. https://www.youtube.com/watch?v=COvISZ4BtnE, (accessed 2017-03-12)
②Gajer, B., Thepaut-Mathieu, C., and Lehenaff, D. (1999) Evolution of stride and amplitude during course of the 100 m event in athletics. New Studies in Athletics, 14 (1): 43―50.
③伊東浩司(2003)私の短距離トレーニング(上).月刊陸上競技編 疾風(かぜ)になりたい :「9秒台」に触れた男の伝言.出版芸術社,pp. 239―258.
④松尾彰文・広川龍太郎・柳谷登志雄・小林 海・松林武生・貴嶋孝太・山本真帆・綿谷貴志・渡辺圭佑・杉田正明(2014)2012年および2013年の100mレースにおけるスピード変化と最高スピード出現区間について.陸上競技研究紀要,9: 50―55.
⑤宮代賢治・山元康平・内藤 景・谷川 聡・西嶋尚彦(2013)男子100m走における身長別モデルステップ変数.スプリント研究,22:57―76.
⑥谷川 聡・内藤 景(2015)スプリント・ハードルトレーニングのためのバイオメカニクス知見の活かし方.バイオメカニクス研究,18 (3): 157―169.
⑦豊田裕浩(2014)飯塚翔太選手(ミズノ)の世界で活躍できるスプリンターを目指した取り組み-中央大学での4年間の取り組みを中心に-.陸上競技研究,98: 44―49.
⑧土江寛裕(2011)陸上競技入門ブック 短距離・リレー.ベースボール・マガジン社.

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